K.K.TOYAMA

富山県議会議長宛の陳情書

2003年7月10日提出 富山県議会議長宛の陳情書

性同一性障害を抱える人々が、普通に暮らせる社会を実現することを求めることに関する陳情書

 富山県議会議員の皆様におかれましては、日頃より市民生活向上のためご尽力いただき、心より感謝申し上げます。

 私は、性同一性障害当事者です。性同一性障害とは、心の性と体の性が一致せず、その食い違いに苦しむ状態をいいます。そのため、医学的、心理的、社会的、家族的およびは経済的な様々な問題を抱えています。私は、新聞各紙で報じられているように、昨年、性同一性障害と精神科医から診断されており、今年1月に富山家裁高岡支部で戸籍名の変更を許可され、現在も月に1度、精神科でカウンセリングを受けております。今国会で、性同一性障害者性別特例法案が可決されますが、現在の私の状態では条件が適応されず、戸籍の性別変更はできません。戸籍名は男性名ではありますが、性別は女性のままです。性同一性障害当事者は特に、戸籍の性別と社会生活上の性別が異なることにより、就職する時、家を借りる時、医療機関を利用する時など様々な場合に非常困難を伴います。そのため、アルバイトでしか仕事ができなかったりし、性別が記載された保険証を用いたくないために医師にかかれず、命を落とす人がいるようなケースもあります。さらにその保険も、性同一性障害の治療にはほとんどが適用外であり、当事者に負担を強いています。役場などの公的機関においても、本人であることを疑われて時間を要したりして、不快な対応を受けることもしばしばです。こうしたことにより、国民の権利である選挙権さえ行使しにくい状況です。「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」が2000年の12月に制定され、関連の答申「人権教育の在り方について」及び「人権教育・啓発に関する基本計画」では、性同一性障害を有する者の差別を解消し、人権の擁護に資することをうたっているにもかかわらず、私達当事者の不自由さは変わっていない状況です。このように、戸籍と異なる性で生活する性同一性障害の当事者に対し、早急に必要な法の制定と社会環境の整備を求めます。

 地方自治体で実現可能なものとして、以下につき実現してくださるようお願い申し上げます。既に1・2については、埼玉県草加市・新座市、東京都小金井市、鳥取県鳥取市が実施しています。そして私の住む福岡町、そして小矢部市も検討に入っております。どうか富山県全体でも実現してくださるようお願い申し上げます。

  1.  印鑑登録証明書など、性別欄の存在する証明書や申請書などからの不必要な性別欄の撤廃
  2.  性別によらない選挙における本人確認方式の再考
     特に、選挙の入場券については、平成12年03月30日 選挙管理委員会告示第25号公職選挙事務処理規定第19条(投票所入場券及び到着番号札)の見直しを求めます。
  3.  県職員市町村職員などの公務員、教育関係者、医療従事者などへの研修と理解の促進
  4.  学校における教育の一貫としてのとりあげと、理解の促進

 次に、下記に関する意見書を政府に提出いただきたく、お願い申し上げます。

  1.  性同一性障害者性別特例法案の見直し
  2.  公文書の性別記載の再考と可能な限りの削除
  3.  性同一性障害に対する健康保険の適用および診断、治療が可能な医療機関の拡充
  4.  求職時の性別記載の撤廃と不当解雇、職場差別などの禁止および職場での支援
  5.  住民基本台帳ネットワークからの性別欄の廃止と、性同一性障害を理由とした変更履歴の削除
  6.  性同一性障害を含む教育の充実と教育現場での理解と若年層患者に対する支援
  7.  教育、医療関係従事者、公務員など、性同一性障害に関わる人々への研修と育成

 以上、陳情申し上げます。

平成15年7月10日

陳情者
住所 西砺波郡福岡町××
氏名   ○○ △△  印

富山県議会議長 ×××× 殿

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